お礼(ハレルヤ×1、ニール×1)







「あっちい・・・・」
「ハレルヤ、だらだらしないで。なんだか余計に暑苦しいわ」
「うるせぇよ。暑いもんは暑いんだ。ちったあ気ぃきかせて冷たい飲み物でも出しやがれ」
「・・・人に頼む態度じゃないわね。んー、でもまあ確かに冷たいものでも欲しい感じね。じゃあちょっと待ってて」
「おう・・・」



(数分後)



「ただいま。はい、これ」
「ご苦労さん・・・ってビールかよ」
「そ。ビール。キンキンに冷えてて空きっ腹に最高ね!」
「お前、最近控えてなかったか?太ったとかなんとか」
「違うわ」
「嘘つけ。お前制服のサイズがどうとか」
「違うのよ、ハレルヤくん」
「・・・・・・そう、だったな」
「その通りよ。単に飲むことを忘れていただけ。思い出したから飲むの」
「強引な女だな、相変わらず」
「何か言ったかしら?」
「何もねぇよ!飲むんだろ。つべこべ言わずに開けろ」
「もう・・・。何かにつけて吠えたがるんだから・・・(プシュ)はい、どうぞ」
「おう(ごくこく)」
「美味しい?」
「それなりだな」
「冷たくて美味しい。そういえばそろそろ夏休みなんてとれるのかしら」
「この情勢で?お前、また無茶なこと言いやがるな」
「だって夏と言えば花火大会とか、肝試しとか、合宿とか、楽しげなこといっぱいあるじゃない」
「俺にゃ縁がねぇなぁ」
「どうして?お祭りとか一緒に行きたいわ」
「アレルヤ誘えよ」
「アレルヤとも行くけど、ハレルヤとだって行きたいの」
「欲張り」
「承知してるわ」
「・・・・仕方ねぇな。どうしてもってんなら付き合ってやる」
「ホント?」
「どうしても行きてぇんだろ」
「うん。良かった・・・じゃあ浴衣用意しておくわね。ハレルヤに似合うもの探しておくから。当日着つけてあげる」
「お前も浴衣?」
「うん、そのつもり。目一杯綺麗にするから期待してて」
「綺麗に着飾ったって最期には全部取っ払ってやるけどな」
「ん?何か言った?」
「いーや、別に。単にお前は花火見てても、ビールだのかき氷だのとうるせぇんだろうなってよ」
「ダメ?」
「言ったところで俺だって目的はかわりゃしねぇ。お前の好きなようにすりゃいいだろ。文句は言わねぇよ」
「ふふっ・・・だったらいいんだけど。ねぇ、早くお祭りの日にならないかな」
「そうだな・・・、もうちょい大人しく待ってな」






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「夏にもグローブ装備って暑いわね」
「ん?ああ、これか?まあ仕方ねぇよ。手傷つけちゃ、銃構えるときに照準狂うからな」
「ふぅん・・・よくわかんないわね」
「お前は銃とか使うことあるのか?・・・て、まあお前さんはないか。無縁っぽいしな」
「どういう評価か理解し難いけど、あるわよ。一応」
「あるのか?意外だな」
「これでも世界で指折りの軍師なので、有事には装備することにしてるのよ」
「有事?」
「あたし、職業柄恨み買いやすいのよね。お前のせいで家族が死んだだの、私財が潰されただの」
「なんだそりゃ・・・」
「要するにあたしの策で被害を被る人間が多くて、名前のでるような公の場では命の危険に晒されるってことね」
「そんなのお前は仕事だからそうしてるんじゃないか。生きるためにすることで他人にとやかく言われてたまるかよ」
「そうは言っても、被害者はそうは思えないんでしょうね。・・・あたしにもその気持ちは分かるわ」
「・・・どういう意味だ?」
「まあ・・・あたしも貴方に及ばないながら、色々あったということよ。それ以上はダメ。機密事項よ」
「!・・・ここまで言っといて肝心なことはだんまりか?ずるい奴だな」
「勘違いしないで。あたしは何もロックオンが嫌いだからって言ってるんじゃないのよ。ただ・・・」
「ただ?」
「貴方が気にして、重荷に思って聞かなきゃよかったって避けられるのが嫌なのよ」
「そんなこと思うかよ。お前のことだぞ。俺がお前のことどう思ってるのか知ってて言ってるのか?」
「知ってるわ。だけど、あたしはまだ貴方があたしを想うようには想えていないだけのことよ」
「それはさ・・・事実上振られたわけか?」
「分かんない。あたし、ロックオンみたいな人に好かれたことってないから。ちょっと戸惑ってるの」
「結論として、嫌いか?俺のことは」
「いいえ。好ましいと思うわ。でも、ちょっと待って。まだダメよ」
「どれくらい待てばいいんだ?もう随分待った」
「ちょっと待って。急かされちゃ嫌いになるわよ」
「はあ・・・結局はお前の返答待ちなんだな。分かったよ、お前がいいって言うまで待つ」
「そうねぇ。希望としてはあたしが貴方のこと特別って思えるまでね?」
「それって結果的に想われなきゃ半永久的にダメってことだな・・・」
「そうね」
「あのなぁ・・・」
「急かしちゃダメ。性急すぎる男は嫌いよ」
「・・・・はい(こりゃ良いって言われても、尻に敷かれることになるな・・・)」